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第123話

「ここまで尽くしてくれたことで責任をとってもらった思っているのだが……考え直す気はないか?」 「はい」  フィリップに止められても揺るがないロドルフの意思は、曲がることはなさそうだ。ロドルフの短い返事から十分に伝わる。 「そうか。ならば仕方な……」 「だめ! 僕は許さないよ!」  嫌という気持ちが爆発したエドワードは、フィリップの言葉を遮って反射的に叫んでいた。  ロドルフは目を丸くして驚いていた。 「僕が強くなれたのはロドルフのおかげだし、呪いをかけられてからもロドルフが助けてくれたから今こうしていられるんだ。これからロドルフがいないなんて考えられないよ!」  エドワードが成人して、騎士団員とともに鍛錬に励んでいたときにいつもそばにはロドルフがいてくれた。ときには優しい笑顔で褒めてくれた。ときには真剣なまなざしで改善点を教えてくれた。  エドワードの中にいろんなロドルフの姿が思い浮かんでくる。エドワードには必要不可欠な存在だ。  呪いのせいでロドルフに苦しい思いをさせてしまったけれど、ロドルフがいてくれたから討伐に向かおうと前向きになれた。  そして、そんなロドルフだからこそ、好きになった。

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