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第140話

 エドワードは叫びながら、魔物に迫っていた団員の肩を掴んで前に倒れ込んだ。地面に頭を伏せたので少なくともエドワードと彼は呪いを防げただろう。 「大丈夫ですか!?」  剣で斬りつける音とともに、ロドルフの声が聞こえた。エドワードはさっと身体を起こして、他の団員が応戦している姿を見た。 「うん、大丈夫」 「ありがとうございます、殿下」 「まだまだ油断できないから気をつけて」  エドワードよりも早く、団員は再び魔物に向かっていった。 「ロドルフ」  エドワードのことを気にかけていたロドルフに寄っていって、少し小さな声で話す。 「あいつが呪いをかけようとしたとき、動きがゆっくりになった気がするんだ」 「なるほど……。そうすると、いっせいに攻撃を仕かけて魔物の死角にいる誰かが中央を狙った方がよさそうですね」 「うん。呪いをかわしながらやってみよう」  ロドルフとすぐに離れて、エドワードも魔物に向かって攻撃を仕かける。隙を見て、他の団員にロドルフが考えた方法をそっと伝える。

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