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第141話

 何度も斬りつけて魔物の蔦を斬っていっても、痛みを感じていないのかまるでダメージを受けていないように動きは鈍らず、目は光り続ける。 「はぁ、はぁ……」  攻撃して消滅する中央の位置がゴブリンのように明確に分かっていないままでは、何度も攻撃を繰り返すしかない。このままでは、エドワードたちの体力が先に尽きてしまいそうだ。 「どうすれば……あっ!」  ふと、エドワードは魔物の顔の左後ろがやけに暗いのが目に入った。光を一切反射しないそこだけが、やけに異質だった。  もしかしたらあそこが中央かもしれない。早くロドルフに伝えなければ。  エドワードは、魔物に向かって攻撃を仕かけていく。そしてすぐに離れながらロドルフの方へ近づいていった。 「どうかされましたか?」 「あいつの中央、顔の左側の後ろにありそうだよ」  二人で少し離れた場所からそっと確認する。動いているので一瞬チラリと見える程度だったが、ロドルフはすぐに見えたようだ。 「あそこですね。狙ってみましょう」  ロドルフは単独で攻撃を仕かけつつ、団員たちに一斉攻撃を仕かけるようそっと耳打ちしていった。エドワードよりも自然な動きで、魔物に気づかれている様子はなかった。

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