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第143話

「やった……倒した……倒したよ!」  エドワードは真っ先に声を出していた。団員たちも、おめでとうございます、と、緊張のほぐれた様子でエドワードに声をかけてくれる。 「みんな、ありがとう!」 「我々も安心しました!」 「これで、殿下の呪いも消えたはずです。帰還次第、ハーリー医師に診てもらいましょう」 「ロドルフも、ありがと……!」  ロドルフがそばにいてくれたから、不安を払拭して戦うことができた。そして何より、ロドルフの一撃が魔物を倒した。  ロドルフには感謝してもしきれない。ロドルフの存在があったからこそ、エドワードは今こうして生きている。 「夜が明けるまでここで待機、交代で見張りをしながら休息とする」 『はっ!』  いくら集団行動とはいえ、真夜中の森を歩くのは危険すぎる。  けれども、今のエドワードには待機する時間が少々惜しかった。早く王都に帰って、ロドルフに好きという想いを伝えたい。 「殿下、お疲れではないでしょうか?」 「う、ううん。ロドルフの方が疲れてない?」 「私は大丈夫ですよ」  二人で話しながら火の前に座った。ちらりとロドルフの顔を見ると、安堵した笑みを浮かべていた。  ドキリ。ロドルフの笑顔にはどうしてもドキドキしてしまうようだ。それでも、エドワードはロドルフから視線を逸らすのは惜しいと思ってしまうくらいには、ロドルフのことが好きだと思い知らされた。

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