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第145話
「殿下、ハーリー医師の診察のためにお部屋へ行きましょう」
「うん。ロドルフも一緒に来て」
「承知いたしました」
「父上、僕は部屋に戻ります」
エドワードはフィリップに頭を下げてから、部屋へと向かっていった。
カチャカチャと廊下では聞き慣れない金属音を慣らしながら、部屋へと向かっていく。その隣を歩くロドルフは、疲れているだろうにそんなことは微塵も感じられない。
自室に到着したエドワードは、鎧を脱いでシャツとスラックスに着替えてソファに腰かけた。夜通し魔物と戦っていた身体は、疲労を主張してすぐに眠ってしまいそうだった。
コンコンッ──
「失礼いたします」
もう何度もここに通っているハーリーが入ってきた。エドワードたちの帰還を寝ずに待っていたのか、少しくたびれた様子だった。
「エドワード殿下、早速診察させていただきますね」
「うん、よろしく」
ハーリーは椅子を移動させてきて、エドワードと向かい合う形で座った。そしてエドワードの目を見るために近い距離でじっと見つめてきた。
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