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第149話
すると、再びドアがノックされてロドルフが入ってきた。トレイの上にはパンが一つと湯気をくゆらせるスープがあった。
「お持ちいたしました。温かいうちにお召し上がりください」
「ありがとう」
テーブルにトレイを置くと、ロドルフは部屋を出ていこうとした。
「ま、待って、ロドルフ」
「殿下?」
「そ、その……一緒に話しながら食べたいな」
今ここで引き止めておかないと、想いを伝えられる機会がない。ロドルフを引き止めるためにとっさに出てきた。
ロドルフは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔になった。
「はい。私でよろしければ」
「うん……」
エドワードは平静を装いながら、食事を前に椅子へ座った。
温かいスープにはいくつか具材が入っているが、緊張のせいか味がしない。パンもやけに味気ない気がした。本来であれば美味しいはずなのに、ただ胃袋を満たしている行為のように感じた。
「誰も大きな怪我をしなくてよかったね」
「殿下が討伐にご参加いただいたおかげです。殿下の魔物の行動についてのご助言がなければ、無事で済まなかったかもしれません」
「そんなこと……。でも、無理言って参加できてよかった。本当にありがとう、ロドルフ」
「殿下の呪いが解けて、私も安心いたしました」
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