150 / 171

第150話

 ドキリ。ロドルフの笑顔を見た途端、胸が高鳴った。解呪できているから、これはエドワードの本心である。  早く言わなければ何かが壊れそうな気がした。  ようやく食べ終わったエドワードは、一呼吸して気持ちを落ち着かせた。 「殿下」  エドワードが話すよりも早く、ロドルフが口を開いた。  ロドルフの方を見ると、いつの間にか笑顔が消えてやけに真剣な表情になっていた。鍛錬中でも、大事な会議中でも、優しさの一切消えた表情は見たことがない。  エドワードが何か嫌うようなことをしてしまったのだろうか、不安がよぎる。 「ロドルフ……どうしたの?」 「私は、殿下にお伝えしなければならないことがあります」 「な、何……?」  ロドルフはエドワードの気持ちに気づいていたのだろうか。それが迷惑だったのだろうか。  だが、エドワードを見つめるロドルフの真剣な表情の中には、どこか苦しさが混じっているような気がした。この表情は、今まで何度も見てきた。

ともだちにシェアしよう!