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第150話
ドキリ。ロドルフの笑顔を見た途端、胸が高鳴った。解呪できているから、これはエドワードの本心である。
早く言わなければ何かが壊れそうな気がした。
ようやく食べ終わったエドワードは、一呼吸して気持ちを落ち着かせた。
「殿下」
エドワードが話すよりも早く、ロドルフが口を開いた。
ロドルフの方を見ると、いつの間にか笑顔が消えてやけに真剣な表情になっていた。鍛錬中でも、大事な会議中でも、優しさの一切消えた表情は見たことがない。
エドワードが何か嫌うようなことをしてしまったのだろうか、不安がよぎる。
「ロドルフ……どうしたの?」
「私は、殿下にお伝えしなければならないことがあります」
「な、何……?」
ロドルフはエドワードの気持ちに気づいていたのだろうか。それが迷惑だったのだろうか。
だが、エドワードを見つめるロドルフの真剣な表情の中には、どこか苦しさが混じっているような気がした。この表情は、今まで何度も見てきた。
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