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第151話

「私は、以前より殿下のことを恋い慕っておりました」 「えっ……」  予想もしていなかった言葉に、エドワードは驚きを隠せなかった。何を返せばいいのか思い浮かばず、ぽかんと見つめることしかできなかった。 「エドワード殿下は次期国王で、私とは身分が異なります。そのことは十分分かっているつもりでしたが、日々民のためにと懸命に努力されるお姿を見ていると、日々好きという気持ちが抑えられませんでした。今回の件で、その欲をぶつけるように身勝手ながら利用していました」 「えっ、えっ……」  どんどん溢れてくるロドルフの言葉に、エドワードの理解が追いつかなかった。  向けられていることが嬉しいはずなのに、もごもごと言葉にならないことを口にするしかできていない。  だが、エドワードが何も言わないせいで、ロドルフの顔がさらに暗くなっていった。 「罰ならいくらでも受けます。このことで団長も騎士団も辞める覚悟はできています。申し訳ございませんでした」 「ま、待って待って!」  勢いよく頭を下げたロドルフに、エドワードは思わず立ち上がってロドルフの肩を掴んでいた。

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