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第154話

 だが突然、ロドルフの方からゆっくりと離れていってしまった。 「っや……」  口元から糸を引き、本当は離れたくないのではと思わされる。 「やだ……ロドルフ、もっと欲しいよ……」 「私も全然足りません」  ロドルフの視線がやけに獣じみていて、エドワードの身体はゾクリと震えた。唇で触れるだけでは足りない、もっと奥の奥まで触れたい、そう訴えかけているようだった。  立ち上がったロドルフは、エドワードの手を引いてベッドへと移動した。そしてそのまま二人で倒れ込んだ。何度か身体を繋げたこの場所で、想いを通じ合わせて触れられるとは思ってもいなかった。  エドワードはロドルフに腕を伸ばして、抱きしめながら再び唇を重ねた。 「んっ、ふぅっ……」  求めていた感触のはずなのに、ロドルフの視線に触発されたのかあまりにも物足りなかった。唇だけでなく全身で、より深くまで、ありとあらゆるところをロドルフで満たしたくなった。  エドワードは思わずロドルフに身体を擦りつける。布の感触がもどかしくてしょうがない。

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