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第168話
「ロドルフ、お主には正式にエドワードの専属騎士となってもらおう」
「えっ!?」
「陛下……」
「ロドルフのことは実力も実績もこれ以上になく信頼しておる。何より、ロドルフがいなければエドワードには次の王になってもらえなさそうだからのう」
「父上……」
フィリップはエドワードに笑顔を向けてきた。
あのときはロドルフを繋ぎ止めたくて必死だったから出てきた言葉だった。もちろん、専属騎士になればロドルフとの時間が増えるだろうから嬉しいのはもちろんだ。
「ですが父上、ロドルフは今騎士団長という大事な役目があります。そちらはどうするのでしょうか?」
「しばらくは引き継ぎもあるだろうから兼任してもらおう。次の団長の指名はロドルフに任せるとしよう」
「はっ。名誉ある役目、誠心誠意務めさせていただきます」
「そこまで硬くならんでもよい」
朗らかに話すフィリップの姿に、エドワードは不思議でしょうがなかった。一体どうしたのだろうかと問いたいけれど、どこから話していいものか分からなかった。
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