169 / 171

第169話

「わしとしては、ロドルフに公私ともにエドワードを支えてもらいたい。レオナルドはどうなんだ?」 「そうですね。私もロドルフなら何もかも安心できますね」  もしかして、二人にはエドワードの気持ちを見抜かれていたのだろうか。  微笑むフィリップとレオナルドの姿に、エドワードは言葉が見つからなくて口を閉ざしていた。 「なに、そう深く考えないでいい。王である前に、わしはエドワードの父だ。子の幸せを願わないでどうする」 「父上……ありがとうございます!」 「その代わり、王としては将来のために鍛錬以外も学びを得てほしいものだな。まだまだ王を続けるつもりだが、いつエドワードに譲るときが来てもいいようにのう」 「突然は来てほしくないですが、今後は政治にも関わるようにいたします」 「ロドルフ、エドワードをよろしく頼む」 「この身を徹して、エドワード殿下のために励んでまいります」  エドワードはそう言って深く頭を下げた。 「わしからはもう二人に言うことはない。下がっていいぞ」 「父上、兄上、失礼いたします」  エドワードはロドルフとともに会議室を出ていった。

ともだちにシェアしよう!