啓太朗はゆっくりと体勢を整え、そらの腰に添えた手に力を込める。 　視線を合わせたまま、そらの小ぶりな性にそっと触れると、小さく息を呑んだ。 「……は……ん……」 　ゴムを装着した先端で、そらの入り口をゆっくりとなぞる。 　その度に「……っ、ん……」と甘い声が漏れ、腰がわずかに逃げる。 　そして、啓太朗は、ゆっくりと、ほんの少しだけ押し入ってきた。 「……っ……は……」 （……入ってきてる……） 　瞬間、そらの肩が震える。 　啓太朗は動きを止め、腰に手を添えたまま耳元で囁く。 「……平気？」 「……うん……」吐息混じりの返事。 　さらにゆっくりと、深く――。 　 　奥までたどり着くと、そらの胸元に額を預け、短く息を吐いた。 「……入った」 　深くまで届いた感覚に、思わず呼吸が乱れる。 　胸の奥まで押し広げられるようで、熱が全身を駆け抜ける。 　啓太朗の額が胸元に触れていて、吐息が肌にかかる。 　重くて、でも安心する重さ――。 　そのぬくもりが、じわじわと自分の中のこわばりをほどいていく。 「……大丈夫か」 　耳元に落ちる声は、低く掠れて優しい。 　（……うん、平気……） 　声にならずに頷くと、啓太朗がゆっくり顔を上げた。 　目が合う。 　その瞳の奥に、抑えきれない熱と、自分を包み込む優しさが混ざっている。 「……もう、動く」 　その言葉に、胸が跳ねた。 　腰がゆっくりと引かれ、また押し入ってくる。 　「……っ、あ……」 　小さく声がもれて、指先がシーツをぎゅっと握りしめた。 　最初は、浅く。 　ほんの少し出し入れされるたびに、内側が啓太朗の形を覚えていく。 　「……は……ん……」声が漏れるのを抑えられず、頬が熱くなる。 　啓太朗の視線が、じっと自分を見ている。 　痛くないか、嫌じゃないか――そんなふうに確かめながら、動きはゆっくりとしたまま。 　（……優しい……でも……もっと） 　胸の奥がきゅっと締めつけられて、自然と腰が彼を求めるように動いてしまう。 　その小さな動きに、啓太朗が短く息を呑む。 「……そら……」 　名前を呼ばれるだけで、背中に電気が走ったように震えた。 　動きが、少し深く、速くなる。 　押し込まれるたびに、「あ……っ、ん……」と甘い声が零れていく。 　恥ずかしいのに、止められない。 　視界が滲んで、啓太朗の顔がぼやけた。 　「……っ、そら……あんま動くな……」 　低い声が耳元で震える。 　でも、その声の奥に潜む必死さが、なぜかくすぐったくて…… 　腰をほんの少し揺らすと、「……あ……っ」自分の声が勝手に漏れる。 　そのたび、啓太朗の腕に力が入り、奥まで一気に押し込まれる。 「……っ、ダメって……言っとるやろ……」 　吐息混じりの叱り声が、かえって胸の奥を熱くする。 　視線を絡めたまま、そらは啓太朗の腰に足を巻き付ける。 　その瞬間、啓太朗の表情が揺らいだ。 「……そんな顔、すんな……もう……」 　呟きと同時に、動きが速くなる。 「……っ、あ……っ、ん……！」 　押し込まれるたびに、甘い声が零れ、シーツが手の中で皺になる。 　熱と衝撃が全身を支配して、頭の中が真っ白になる。 　啓太朗の息が荒くなり、額がこつんと自分の額に触れる。 「……もう……やば……」 　耳元で掠れた声が落ちる。 　押し寄せる衝動に抗うように、啓太朗の動きが一瞬だけ止まった。 　そして、深く息を吐き、わずかに腰を引く。 「……先に、お前をいかせる」 　低く決意を含んだ声と同時に、角度を変えて深く突き上げられた。 　「……あっ、そこ……っ！」 　不意打ちの衝撃に、腰が勝手に跳ねる。 　啓太朗はその反応を逃さず、同じ場所を何度も、何度も擦りあげた。 「ここ、好きやろ……？」 　甘く低い声が絡みつき、熱が一気に高まっていく。 　呼吸が浅くなり、視界が滲む。 「……っ、あ……っ、もう……イク！」 　堪えきれず、全身が痙攣する。 「あぁっ……！！」 　その瞬間、啓太朗が腰を押し込んだまま、強く抱きしめてくる。 「……そら……」 　 　熱の余韻が身体を包み、耳の奥で自分の鼓動が響く。 　ほんのわずか、一呼吸分の静けさ――。 「……ごめん、俺も……いかせて」 　低く掠れた声が、すぐ耳元に落ちる。 　次の瞬間、腰が強く打ちつけられた。 「……っ、ぁぁ……！」 　容赦のない動きに、まだ敏感な身体が跳ねる。 「……もう……イク……っ」 　息を詰め、限界まで押し込んだまま、啓太朗がかすれ声で告げる。 　そのまま一気に震え、深く深く果てていった――。