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第1話-1 翌朝

翌朝。 あのまま二人は寄り添うように眠った。 夜中何度も秋は目が覚めて、 その度に春の様子を伺った。 体温は上がったり下がったりを繰り返していて、秋が目覚めた時にはいつも春は目を薄く開き、浅い息を繰り返していた。 あまり眠れていないだろう。 やっと眠りについたらしい春の髪を、 秋はそっと撫でた。 その時、春の携帯が鳴った。 春のマネージャーからだろう。 勝手に出るわけにもいかず、しかし春を起こすことも憚られ、秋はただあたふたとする。 すると着信が鳴り止んだ。 どうしよう、もう迎えの時間なんだ。 でも、こんな体調で送り出すなんて。 秋がそう考え込んでいると、インターホンが鳴った。 慌ててリビングに向かう。 すると、ガチャリ、と玄関が突然開いた。 ビクッ!と秋が反応して玄関に目をやった。 すると、玄関先に現れた女性も、 同じく驚いてワッ、と声を上げた。 「…だ、誰?!」 その女性が声を上げた。

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