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第3話-1 ただの友達?
春は最終日である3日目のデビュー公演を終え、同じように高熱状態で病院に向かい、その日から5日間の入院が決まった。
松永は公演3日目の朝、前日と同じように春を見送る秋に、「入院の用意をしておいて」と告げ、家を出た。
春を病院に送り届けた後、春の自宅に秋を迎えにいった。
車に乗り込んだ秋は、心配そうな表情を浮かべている。
そんな秋に、松永は声をかける。
「大丈夫よ、日本の医療は進化してる」
そうすると秋はその表情のまま、けれど少し笑った。
「今瀬くんもあんまり寝れてないんじゃない?」
「いやぁ、俺は昼間寝てたので…」
「そう、じゃあ安心ね」
そう言うが、その顔には少し疲れが滲んでいる。
きっと気になってあまり眠れていないのだろう。
春を病院に送り届けて病室を出る前、松永は「今瀬くんをここに連れてきていいか」と春に尋ねた。
すると春は はい、とすぐに返事をした。
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