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第3話-3 ただの友達?

個室の病室に入ると、春が点滴をして眠っていた。 静かに寝息を立てている。 二人は最初小さな声で話していたが、二人とも眠っている春がたかが話し声では起きることがない、と知っているので、次第に普通のトーンで話し始めた。 しばらく取り止めもない雑談をした後、春のベッドの横にあった簡易ベッドを指さして、松永はそこで寝ていいよ、と秋に言った。 松永さんは?と尋ねる秋に、冗談めかして言う。 「こんな時でもないと壱川春のマネージャーは休めないんですから、家でゆっくり寝させてもらいますよ」 そう言うと秋はくすりと笑い、春は任せてください!と言った。 また明日来るね、と言い残し、松永は病室を後にした。

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