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第5話-9 キス以上のこと
「………動くね」
そう言って、春がゆっくりと腰を動かし始めた。
「んぁ…っ…ん…あっ…ああ…」
秋が声を漏らす。
ゆっくりと、中で春の硬くなったそれが擦れる。
初めての感覚。
まだそれが気持ちいいという感覚に結びついているわけではない、それでも秋はただ、嬉しかった。
愛おしかった。
春はそうしてゆっくりと腰を動かしながら、秋のものに触れ、手でゆっくりと擦り始めた。同時に行われるそれに、秋は再び声を上げる。
途端、奥に春のものが当たる。
これまでよりも大きな声を漏らす秋。
春がぴたりと動きを止める。
秋は咄嗟にいう。
「やめないで…それ…そこ…」
再び、春の腰が秋にぶつけられる。
奥に当たり、秋は声を上げる。
「…そこ…なんか……やば…」
その声を聞き、春の腰の動きが少し早くなるのが分かった。
奥に当たるたび、秋は声をあげた。
「んぁ…あっ…あっあぁ…ん…っ…待って待って待って…やば…んぁっ…」
「…春、春…っ…」
春が再び秋に覆い被さるように上体を下げた。
腰は動き続けている。
秋の首筋に唇を這わせる春。
春の控えめな吐息が聞こえてくる。
秋はそれにたまらなくなる。
秋が手を探り、春の手を掴んだ。
すると春もゆっくりと秋の手に指を絡ませた。
ぎゅっと手を握る秋に、応えるように春も力を込めた。
そっと秋の耳に春の唇が触れる。
ゆっくりと舌が伸び、撫でるようにそっと耳の奥に春の舌が入ってくる。いやらしいその音と感覚にたまらず、びくびくと秋の身体は思わず震えた。春の動きがまた少し早まった。
「待って、待って…だ、だめ…だめ…だめ…」
そう声を上げる秋に、春は徐に繋いでいた片方の右手を解き、秋のものに再び触れた。そして腰の動きと共に、小刻みにそれを愛撫する。
「んあっ…!あっ…あっ…も…それ…だめ…っ…」
ビクビク、と再び秋の腰が痙攣し、秋の硬く張り上げたそれの先から、ドクン、ドクン、と白い液が溢れ出た。
秋ははぁ、はぁ…と息を漏らし、全身の力が途端に抜けた。
すると春が秋が射精するとなって止めていた腰を再び動かし始めた。
「しゅ…春……ま、待って…待って……待って………」
「…ごめん……」
そう春は小さく呟き、秋の言葉とは逆に、動きを早めた。
そして秋の唇に吸い付くように唇を重ねる。
秋もそれに舌を伸ばす。
舌が熱く絡み合う。
秋は先ほどの快感を残している中で擦れるその感覚に、声を上げる。
「…はぁ…んっ…やば…やば……やばい…だめ……」
そうしてとん、とこれまでよりも強く深く奥に春のものが当たった時、中で春のそれが脈打つのが分かった。
そうして春は力を抜き、秋の身体に少し体重を乗せるように被さった。
荒く息を繰り返す春を、秋は強く抱きしめた。
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