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第6話-2 明日は
――
ふっと目を開けた。
また寝落ちしてしまっていたらしい。
ふと、肩にかかる重みに気づき隣に目をやると、春が秋の肩に寄りかかるように、静かに寝息を立てていた。
秋にはブランケットがかけられていた。
春がかけてくれたのだろう。
秋はそっと春の顔を覗き、思わず頬を緩めた。
――かわいい。
あれから少しずつ、春がこうして些細なスキンシップをしてくれることが増えてきた。と言っても、回数はかなり少ない。まだ慣れず、秋はそれにいちいちドキドキしてしまう。
秋は春に寄り添うように頭を春の方に寄せた。
春の静かな寝息が聞こえてくる。
テーブルには読みかけの台本があった。
きっと帰宅してから読んでいて、その途中疲れて眠ってしまったのだろう。
ふとその台本を手に取り、パラパラとめくった。
少し読み、秋はその台本が友人の松山淳 と春が主演の作品のものであると気付いた。
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