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第12話-4 かわいい
すると突然、春が動きを止めた。
んんん、と甘えるように声を上げると、春はそっと秋に腕を回し、秋を抱きしめて小さく言った。
「……いきそうだから…待って」
「…だめ…まだ…いかないで…」
「……うん」
そうして二人は繋がったまま、互いを抱きしめた。
そのまま、秋が小さく呟く。
「………次いつ帰ってくる…?」
「……あと2週間くらいで撮影終わるから」
「……うん……」
そうして秋は春に頬を擦り寄せるようにして言った。
「………行かないで…」
すると、秋の中で春のものがまた大きくなるのが分かった。
秋はそれに思わず小さく笑う。
「…おっきくなった」
そう秋が言うと、春はすりっと秋の首元に顔を寄せ、呟くように言った。
「………かわいいこと…言うから」
秋はその言葉に、思わず目を見開いた。
春がそういうふうなことを秋に言うのは初めてだった。
春はいつも秋の好きという言葉にそっと微笑むばかりで、何度も何度も催促して、やっと口にしてくれる。
かわいい、なんてそんな愛情表現を、春はしたことがなかった。
秋はその言葉に、春を強く抱きしめ、堪えきれずにねだるように言った。
「………………動いて……」
春はそれに秋を抱き抱えながら身体を起こし、そうしてそのまま秋を反対側に優しく倒した。
「……このまま…してもいいの…?」
「……うん…して……」
そうして春がゆっくりと動き出し、秋はしがみつくように春を強く抱きしめ、何度もその快感に声を上げる。
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