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第12話-5 かわいい

すると枕元に置いていた春の携帯が鳴った。 けれど春は動きを止めず、秋はそれに吐息を漏らしながら春に言う。 「……電話…松永さんだ…よ…っ……」 「……うん」 「……出な…いと…っ……ん…っ……」 「………今無理」 いつもの優しいトーンではなく、余裕なくそう言った春の声がたまらず、秋は思わず強く春を締め付ける。 そうして着信の音が鳴り続ける中、春が言った。 「……ごめん、いく」 そう言ってすぐ、秋の腹の上に、春は秋から引き抜いたそれの先から白い液を溢した。 荒く息を漏らす春の唇に秋は自分の唇を重ね、春の息を合間を縫うようにして舌を捩じ込んだ。 そうして舌を絡ませ、秋は自分の腹に広がった春から出たまだ生温かいそれを手で掬い、自分のものに撫でつけた。 そうして春と舌を絡ませながら、何度も自分の手で擦った。 そうしてすぐ、秋は腰を振るわせていってしまった。 同じように腹に出た自分の白濁した液と、春のものが混じり合う様を見て、秋は終わったばかりだというのにそれに強く欲情した。

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