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第13話-4 謎の訪問者
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翌朝、作業に区切りをつけ、春の起床の時間に合わせて秋は部屋を出た。
すると、春はあのままソファで寝落ちしてしまっていたらしく、ソファに横になって眠っていた。
静かに寝息を立てる春に、もぉ…と秋は顰めっ面をしたが、でもすぐにその寝顔を見てふっと表情を緩めた。
じーっとその寝顔を眺める。
それは秋の日課だった。
春を起こすまでの数分間、秋はこうしてじーっと春の寝顔を眺めるのだ。
差し込む朝の光は春の長いまつ毛に透け、白く透明な肌を淡く照らした。
すっと通った高い鼻に、淡く色づいた唇。
何度見ても息を呑むほどそれは美しく、秋は毎朝その顔を見るたびに新鮮にどきりと胸が高鳴った。
思わず見惚れていると、突然、ピンポーン、とインターホンが鳴った。
え、と秋は驚く。
そろそろ春を起こさないといけない時間だが、いつも春のマネージャーの松永は電話で春にモーニングコールをしてきていた。
そうしてインターホンを鳴らすのはかなり珍しく、秋はすぐに立ち上がった。
もしかして時間マズったかな、そう思い、インターホンのモニターを覗くと、そこには見慣れない、サングラスをかけた女性がいた。
え、誰…?と思いながらも通話ボタンを押すと、その女性は軽快に話し出した。
「春?開けて開けて開けて〜!」
その勢いに、秋は思わず慄くが、春、と親しげに名前を呼ぶ様に、咄嗟に秋はオートロックの施錠ボタンを押してしまった。
ど、どうしよう、と慌てて春を揺り起こす。
春はいつものように、ちょっとやそっとでは目覚めない。
春、春〜!と何度も縋るように声をかけていると、ガチャガチャガチャガチャ!と玄関のドアを揺らす音が聞こえた。
そしてすぐ、ピンポーンと再びチャイムが鳴った。
秋は慌てて玄関のドアを開けた。
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