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第14話-9 普通

翌朝、秋が春を起こしていると柊花が目を覚まし、そんな優しく起こしてたら日暮れるで、と春の腕をぐい、と引いて起き上がらせ、そのまま柊花はリビングに向かった。 春と秋がリビングに行くと、柊花は荷物をまとめ出していた。 春がぼんやりとした口調で、帰るの?と聞くと、お邪魔でしょうし?と嫌味を込めたようにそう言った。 それに春は小さく笑った。 そうして春が家を出る時、柊花も共に玄関へ向かう。 出る間際、そうや、と柊花が思い出したように言った。 「柊花な、結婚すんねん」 え、と春と秋が声を上げると、続けて言った。 「妊娠してん」 二人は先ほどよりももっと驚いた様子で、え、とまた同時に言った。 それに柊花は仲良しやな〜と笑った。

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