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第18話-10 冬の日

やっと春が鳴り続ける携帯を手に取り、電話に出る。はい、と短い返事だけをして、すぐに電話を切った。 そうしてこてん、と秋の方に寝返りを打ち、迷うことなく秋を引き寄せた。 秋も同じように抱きしめ返す。 「…大丈夫?」 そうして秋を気遣う言葉をかけるのも、お決まりだ。 秋は春にそっとキスをして、うん、と甘く返事をする。 「……疲れてるかなあって思って」 秋がそういうと、春は秋の顔を見つめて優しい顔で言う。 「…疲れてないよ」 秋はちゅ、と春にキスをして微笑んで言う。 「…疲れてはいるでしょ?」 すると何度か瞬きをして少しの間を置いたあと、春は言った。 「……疲れてた…けど…もう疲れてない」 それに秋は嬉しそうに笑って、また春に軽くキスをする。 「俺で元気になった?」 そうはにかんで秋が尋ねると、春が微笑んでうん、と頷いた。 「ダブルミーニングね」 秋のその言葉に?と不思議そうな顔をした春に、秋はそっと春のものを撫で、ニヤリとした顔で言った。 「…元気になったでしょ?」 春はそれに眉を下げて困ったように笑った。 「俺が元気にしてあげるよ」 秋がそうやってまた春にキスをして言うと、春は目を細めて顔を顰めて言った。 「……変態」 すると秋はとぼけた顔して明るく返す。 「え〜?別に今のはそんな意味込めてなかったし?」 また春は困った顔をして笑ったあと、どちらからともなくまたふっと唇を触れ合わせ、そしてまた額を寄せ笑い合った。

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