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第19話-10 春の誕生日

そうしてソファに沈み込む春に構わず、春にまたがるようにして髪をドライヤーで乾かす。 春は目を閉じて黙っている。 積み重なる猛烈な可愛さに秋は耐えきれず、その途中、ちゅ、と頬にキスをした。 すると春がゆっくりを目を開けて、秋を見つめた。 しかし秋が何食わぬ顔でまた髪を乾かしはじめて前髪が目にかかると、春はふっとまた目を閉じた。 そうしてちゅ、と頬にキスして、また春がゆっくり目を開けて、というのを何度も繰り返した。 秋はすっかり楽しんでしまい、これも悪くないな、なんて思っていた。 そうして春の髪が完全に乾くと、秋は春の隣に腰掛け、自分の髪を乾かし始めた。 すると春がゆっくりと秋にもたれかかり、そのまま秋の膝に滑り落ちた。 秋が微笑んで春を見下げて目が合うと、春は手を伸ばして秋の首を掴み、秋を抱き寄せた。 秋はドライヤーを止め、こら〜、と声を上げる。 すると春が秋の髪に触れ、ぼんやりとした口調で言った。 「……濡れてるよ」 それに秋は吹き出す。 「そうだよ、だから乾かしてるの、今」 「……ドライヤー…したほうがいいよ…」 「だからしてるんだって〜、ほら、手離して」 んん〜…と言って春はそれに応えず、秋の首筋をちゅ、と吸った。 「あ、こら〜」 言葉とは裏腹に、そう嬉々として秋は春に声をかける。 しかし春はそれをやめず、時折舌で秋の首をなぞった。 そうして秋がドライヤーを机に置き、たまらず春に口付けると、春は舌を伸ばして秋の歯の裏側をなぞるようにして舌先を動かした。 「んん…」 思わず声を漏らす秋に、春が秋の服の下に手を伸ばした。 秋もそおっと春の全身を手のひらでなぞり、そうして春のものに触れる。 すでに反応したそれをゆっくりと服の上から何度もなぞった。 そうして春の手が秋の背中を滑って、秋の下着にさしかかり、秋は言った。 「春……するなら…ベッドでしよ…?」 うん…と春は小さな声で返事をして、秋はそんな春の腕を引っ張り上げてソファから引き上げ、転がり込むように二人はベッドに寝転がった。

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