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第19話-12 春の誕生日

そうしてゆっくりと奥を突きながら、また春が小さな声で話し出した。 「……うた…」 「……それも…あとで……んっ…」 「……いま……」 「…んん…えっ…?……いまはむり…ぃ……あっ…」 「…あき…」 「……ん?…んん…」 「………言って……」 「……え?…なにを?…」 「………すきって言って…」 秋は思わぬ春のその発言に、思わず反応してぎゅっと春を締めつけてしまう。 「…好き、好き……好きだよ…春」 「そんなん…何回でも…言うよ」 「すき …春も……言ってよ……?」 秋がそうねだると、春はいつもなら少し躊躇ったりするのだが、今日はすぐに言った。 「好き」 「秋…好き」 秋はたまらず、その言葉で果ててしまった。 しかし春はゆっくりとした動きをやめない。 ねっとりと秋の中を硬く張ったもので掻き回す。 「……ぁあ…しゅん……いった……いったから……まって…」 すると秋の肩に、ぽた、と雫が突然落ちた。 目を閉じてその快楽に身を悶えていた秋は、生温かいその感触にふと目を開けた。 そうして春の顔を見て驚いて目をひくつかせた。 「……なんで…泣いてるの…?」

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