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第22話-7 災いの中のひととき
――
秋の手が服を脱いだ春の体をツーっと撫で、秋は顰めっ面をした。
「…明日から食トレだから」
「食トレ?」
春は自分のものに手早くゴムをつけながら、尋ねた。
春のそれが終わると、秋は強く春の首を引き寄せた。
そうしてちゅ、と軽くキスをして言う。
「ご飯食べる練習です」
「…なにそれ?」
「これ以上痩せたら困る 疲れてても食べないとなんだよ だからその練習」
春は話を聞いているのかいないのか、え〜…と生返事をして、秋の中にゆっくりと自分のものを差し込んだ。
「…ンんッ…しゅん…ッ…」
「…ん?」
再び春はうわごとのように返事をした。
今はそれよりも秋に夢中といった様子で、何度も秋の奥をゆっくりと突いた。
秋はそうして甘い吐息をあげながら、春に言った。
「…ん……ッ…分かった…っ…?」
「…分かった」
「……ちゃんと…食べ…ッ…なぃ…と…んん…」
「分かってるよ、分かってる」
春はそうして秋を言い聞かせるようにどこか気のない返事をしながら秋の中を硬く張ったそれで掻き回し続けた。
「…もぅ……しゅん……」
秋が甘く悶えながら拗ねたようにそう言うと、春はその口を塞ぐようにキスをした。
そうして秋の口の中を舌でゆっくりと撫でまわしたあと、唇を離し、秋をじーっと見てから、ふふ、と笑って言った。
「……かわいい、秋」
秋はすっかりその言葉に飲み込まれ、たまらず春にしがみついた。
春に与えられ続けられる快感に腰を振るわせ、そうしてすぐにいってしまった。
――
終わってしばらくして、秋の上で力無く横たわっていた春に、また秋は思い出したように言う。
「…何なら食べれる?」
春はまた秋がそうして心配して同じことを話し出したのが分かり、息を少し漏らして笑った。
「もう、笑い事じゃない」
そう拗ねる秋を宥めるように、春はすぐに言う。
「カレーがいい」
「またカレー?いっつもそれ…しかも病み上がりなんだし…」
「じゃあカレーうどん」
「…それは2日目しかしない」
「…じゃあカレー」
秋はしばらく厳しい顔をして春を眺めていたが、やがて諦めたように何度かコクコクと頷いた。
それに春はふわりと笑い、嬉しそうな顔をした。
秋が言った。
「……俺に栄養あればいいのにね」
「?」
「俺とするたびにカロリー摂取できんの」
春がその言葉にクスリと笑った。
「…あるよ」
「ないよ〜…するたび春痩せちゃう」
春が秋の上から起き上がり、また秋に顔を寄せてちゅ、ちゅ、と秋の首筋を吸った。
「…あ、だめ、もう今日はダメ」
春はそれに残念そうに眉尻を下げる。
「…ご飯食べたら、いいよ」
「ん〜……」
そう言って春は秋の肩に顔を埋め、秋に体重をかけて身体を落とした。
秋はそうして甘い声で囁く。
「…あと1週間もあるから」
「いっぱいご飯食べてさ、
いっぱい…しよ」
春は秋に顔を埋めたまま、頬を擦り寄せ、うん、と小さな声で頷いた。
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