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「怜士さま」
「ぅん?」
「ぼ、僕。こういったこと、初めてなんです。だから……」
だから、優しくしてください。
小さな声でそう言うと、怜士はうなずいた。
「解った。優しくしよう」
だから、と今度は怜士が声を掛けた。
「力を抜いて。顔が、引き攣ってるぞ」
いい子だから、と大きな手のひらが、倫の頭を撫でた。
(あ。これ、嬉しいかも……)
両親がよくしてくれた仕草に、倫の無意識に構えていた警戒心が、ほぐれた。
笑みを浮かべて見上げた倫に頬を寄せ、怜士は唇ではなくその首筋にキスをしてきた。
首筋から、肩へ。
肩から、鎖骨へ。
そして、胸元へ。
そうしながら、器用に倫のボタンを外していく怜士。
「あ。うぅ、はぁ……」
ぎこちない声を漏らす倫の上衣は、すっかり解かれてしまった。
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