37 / 179

4

「ちょ、ちょっと待っ……」 「こっちも、見せてもらおう」  焦る倫の声が聞こえないのか、怜士は両脚の交わる部分をそっと指先で広げた。 「ほう。これは……」 「ヤだ。イヤだ。恥ずかし……」  きれいなピンク色の入口の中心には、まだ誰にも拓かれていない秘所がある。  まだ狭く、すぼまっているが、怜士はそこに妖しく誘ってくる濡れた艶を感じていた。 「経験は無い、と言ってたが。確かに美しい桃色をしている」 「ヤだぁ……!」 「それでいて、とろりとあふれるオメガの体液。これはたまらないな」 「こ、声に出して言わないでください!」  言葉責めまでされては、たまらない。  倫の願いが通じたのか、怜士は黙った。  だが、それ以上の責めが始まってしまった。 「うぅ……、う?」 「……」  温かくて柔らかい何かが、倫のアナルをくすぐった。  そして、ぐっと体内に入って来たのだ。 「うぁあ! あ、ヤだ。ヤだ、何、これぇ!」  怜士の舌が、倫の秘所を弄っているのだ。 「あ、あぅ、う。ひぁ、あぁん! はッ、あぁあ!」  ぐねぐねと、中を探られる。  だがそれが、快感を泡立てて運んでくる。  色の着いた喘ぎを、吐かせてくる。 『辛いこと、苦しいこと。ほんのひとときだが、忘れる方法がある』  怜士の言った通り、倫は何もかも忘れて昂り始めていた。

ともだちにシェアしよう!