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「まず。僕はお屋敷の、ハーブガーデンに配属されました」 『いいぞ。巧くやったな』 「そこで。怜士さまと一緒に、10時のお茶をいただきました」 『何? そんなに早く、あいつと関わることができたのか?』 「そして。これから毎日、お茶の席に着くことになりました」 『お、驚いたな……』  初対面で、あの気難し屋の兄に、そこまで気に入られるとは!  丈士は動揺したが、平静を装った。  彼の声は少し震えたが、倫はまるで気付かなかった。  気付かないまま、その先を考えていた。 (僕が怜士さまの寝室まで行ったことも、話さなきゃならないのかな……)  会話の間に静寂が流れたので、不審そうな丈士の声が問いかけてきた。 『どうした。もう、終わりか?』 「あの。それから、夜に怜士さまの寝室を訪ねました」 『え』 「そして。その、あの……」 『そ、その先は?』 「求められたので、エッチ、しました」 『……!?』  丈士は、絶句したようだった。  息を飲む声が聞こえたので、それは倫にも受け取れた。

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