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朝食の時刻ギリギリに食堂へ現れた倫を待っていたのは、やはり和生だった。
「おはよう、倫くん。よかったぁ、食事抜きになるかと心配したよ」
「おはようございます、和生さん。寝坊しちゃいました」
「体調は、どう? 熱が出たりしてない?」
「少し、だるいです」
うんうん、と和生はうなずいている。
「昨日の今日だから、仕方がないよね。ガーデンの本格的な勤務は、明日からでいいから」
「でも」
「怜士さまとのティータイムが、君の一番重要な仕事だよ」
それだけに、集中して。
そんな優しい和生に、倫は甘えることにした。
「じゃあ。朝食が済んだら、シャワーを浴びて身なりを整えてもいいですか?」
「もちろんだよ。むしろ、そうして欲しい」
清潔な体で、怜士さまのお相手を務めてもらいたい。
そう、和生は強調した。
「10時前に、君の部屋へ迎えに行くから。それまでに心身を整えていてね」
「はい」
和生がついて来てくれるとなると、心強い。
倫は安心して、10時のお茶に臨むことができた。
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