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和やかなティータイムを楽しむ、怜士と倫。
だが、それを離れたところから監視する目があった。
「くそッ。何を話しているんだ?」
三脚に、大口径80mmの対物レンズを搭載したスポッティングスコープを覗く、怪しい男。
「ガンマイクも、持ってくればよかったな。そうすれば……」
ぶつぶつと呟く独り言は、突然頭上からの大声にかき消された。
「こらぁ! 怪しい奴め! ガン、だとぅ!? 怜士さまを狙撃するつもりか!」
「うひゃぁ!」
虎太郎に見つかり、腕を捩じり上げられた男は、必死でその身分を主張した。
「は、放せ! 痛い痛い痛い! わ、私は、その怜士お兄様の弟だぞ! 実の兄弟だぞ!」
「出まかせにも、程がある。こともあろうに、怜士さまの御兄弟を語るとはな!」
「ぎゃあぁああ!」
怪しい男は、怜士と倫の様子を探りに来た、丈士だったのだ。
騒ぎに、虎太郎の配下の人間たちが集まって来た。
「虎太郎さん、どうしました!」
「不審者ですね!?」
「痛めつけて、企みを吐かせましょう!」
右も左も、屈強な男たちに囲まれ、丈士は青ざめた。
とにかく、怜士に会わせて欲しい。
そうすれば、疑いは晴れるから!
切れ切れに、訴えるのが精いっぱいだった。
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