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第十四章 絆の修復
怜士に膝枕をした温かな時間に、頬を緩ませながら、倫は自室へと入った。
無防備にも、この膝で眠ってしまった、愛おしい人。
触れた髪は思いのほか柔らかく、倫の心をくすぐった。
「はぁ……。怜士さま、好き……」
もはや、単なる推しキャラではなくなってしまった。
心から、彼の幸せを望むようになっていた。
「それには、まず。弟の丈士さまとの関係修復、だよね」
倫は、ある考えを胸に、丈士へと専用端末で連絡を取った。
「もしもし。丈士さまですか? 倫です」
『この携帯は、私と君にしか繋がっていないんだ。私が丈士であることと、君が倫であることは、解りきってる!』
イライラした口調と、応答の屁理屈に、倫は天井を仰いだ。
「こんなややこしい人を大切にしてるなんて、怜士さますごい博愛主義……」
『もしもし! 何をぶつぶつ言ってるんだ!?』
「あ、すみません。今日の、報告です」
『うん、聞こう』
「実は。今夜もまた、怜士さまの寝室へ呼ばれました」
『な、何ぃ!?』
「いえ、ちょっと待ってください! でも、エッチはしなかったんです!」
電波を通して、丈士の狼狽ぶりが手に取るように解る。
落ち着いてください、と倫は報告を始めた。
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