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第十八章 波乱のディナー

 久しぶりの、姉弟が揃っての食事会。  だがそれは、彩華の離婚と共にやって来た。  怜士と丈士は、姉に訊ねたいことが山ほどあった。  どうして、離婚に至ったのか?  なぜ、光希の親権を取ったのか?  今後、どのような心づもりでいるのか?  しかし、質問の口火を切ったのは、彩華の方だった。 「相羽さんは、怜士さんとお付き合いなさっているのかしら?」 「え!? あ、それは。その……」  愛している、との言葉は交わしたが、怜士との関係は、どうなのだろう。  情夫?  恋人?  それとも……? 「ゆくゆくは、結婚を視野に入れて、お付き合いしたいと考えています」 「れ、怜士さん!?」  倫の代わりに、怜士が答えていた。 「もちろん、倫の同意があれば、の展開ですが」  どうかな? と言うように、怜士の視線が倫に向けられる。  倫は、突然の未来を目の前に差し出され、驚き、戸惑った。  だがそれは、ほんの瞬間だけ。  すぐに、満面の笑みで応えた。 「……はい!」  微笑ましい怜士と倫の様子に、彩華は笑顔になった。

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