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「も、もう! やっぱり、困った怜士さまですね!」 「すまない。やはり君に、甘えたくなってしまって」  バスルームと同じ、素肌を晒した姿で、二人はベッドの上にいた。  すでにすっかり蕩けて柔らかくなってしまった倫を、怜士は深くゆっくりと穿つ。 「うぁ! あ、ふッ、うぅ。んっ、く! ヤだ! あぁ、あ!」 「倫の中は、とても温かだ。そそられるよ」  じっくりと、味わうように、怜士は倫の体内を抉った。  腸壁がねっとりと、吸い付くように絡みつく。  吸い込むように動いたかと思うと、強く押し返される。 (本当に。君の体は、私を狂わせる!)  息も絶え絶えで喘ぎ続ける倫だが、怜士もまた押し寄せる射精感を味わっていた。  これまでに、幾人もの人間と体を交えてきた彼だったが、初めて身を焦がすほどの悦楽を感じていた。 「倫。倫、出すぞ!」 「あ、はぁッ! あ、あ、あぁ、あ! ぅあ、んあぁ! はぁ、あぁああ!」  ほぼ同時に、二人で駆け上がった。  体を、熱を。  息を、心を、魂までも、溶け合わせた。 「倫。倫、愛してる。愛しているよ、倫……」 「怜士、さ、ま……。僕、も、愛して、ます……」  このひとときだけは、全ての不安を忘れた怜士だった。

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