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第二十四章 家族の肖像

 倫と光希の、楽しいお茶会。  そこに、怜士と彩華も加わった。  特に光希は、久しぶりの母との時間に大喜びだ。  支度をする和生と倫に、張り切った声を上げた。 「僕も、お手伝いするよ!」 「ええっ!? しかし、光希さまに仕事をさせるわけには……」  困ってしまった和生だが、彩華は嬉しそうだ。 「ぜひ、光希にも手伝わせてあげて」 「ですが……」 「息子が淹れてくれたお茶をいただくなんて、素敵だわ」  では、と和生は光希に清潔な布を渡した。 「お湯で温めたカップを、これで拭きとってくれますか?」 「うん!」 「落とすと割れて、お怪我をなさるかもしれません。お気を付けてくださいね」 「解ったよ!」  光希も手伝い、お茶の支度が整った。  皆、にこにこと良い笑顔で、さあ始めましょうか、というその時。 「おぉい! また丈士さまが、コソコソしているぞぉ!」  虎太郎の、大声が聞こえてきた。

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