123 / 179
5
「離れるよ」
「はぁ、はぁ、うぅ……。怜士さま、もう少しだけ……このままで……」
「だめだめ。少し、話したいこともあるし」
「んっ、く、ぅ。あぁ……」
素裸の倫から、怜士がペニスをゆっくりと退き抜くと、とろりと精が溢れ出した。
「大丈夫か?」
それを拭きとり、倫の体を清めながら、怜士は彼をいたわった。
喘ぎ、荒い息を吐く倫は、大人しくされるがままになっている。
動きたくても、体の自由が利かないのだ。
それほど、今夜の怜士は激しかった。
(丈士さまや彩華さま。そして光希くんと仲良く過ごせて、嬉しかったからだろうな……)
どことなく、気分がハイになっている怜士の所作は、倫にも伝わっていた。
深く長い、キス。
弱いところを執拗にいじめてくる、舌先。
そして、奥まで響く力強い抽挿。
(やだな、僕。思い出したら、また熱くなってきちゃう)
ようやく落ち着き、水を口にしながら、倫がそんなことを考えていると。
「倫、話があるんだ」
「は、はい!」
エッチな妄想に耽っていた彼を、怜士が我に返らせた。
淫らな僕が叱られやしないかと、ひやりとした倫だったが、怜士は優しく髪を撫でた。
そして、それと同じくらい優しい声音で語り掛けた。
「明日、君の御両親に会いに行こう」
「え。明日、ですか!?」
事前にそういった話はあったが、突然に明日とは急すぎる。
水を飲むことも忘れ、倫はただ怜士を円い目で見つめるしかなかった。
ともだちにシェアしよう!

