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「離れるよ」 「はぁ、はぁ、うぅ……。怜士さま、もう少しだけ……このままで……」 「だめだめ。少し、話したいこともあるし」 「んっ、く、ぅ。あぁ……」  素裸の倫から、怜士がペニスをゆっくりと退き抜くと、とろりと精が溢れ出した。 「大丈夫か?」  それを拭きとり、倫の体を清めながら、怜士は彼をいたわった。  喘ぎ、荒い息を吐く倫は、大人しくされるがままになっている。  動きたくても、体の自由が利かないのだ。  それほど、今夜の怜士は激しかった。 (丈士さまや彩華さま。そして光希くんと仲良く過ごせて、嬉しかったからだろうな……)  どことなく、気分がハイになっている怜士の所作は、倫にも伝わっていた。  深く長い、キス。  弱いところを執拗にいじめてくる、舌先。  そして、奥まで響く力強い抽挿。 (やだな、僕。思い出したら、また熱くなってきちゃう)  ようやく落ち着き、水を口にしながら、倫がそんなことを考えていると。 「倫、話があるんだ」 「は、はい!」  エッチな妄想に耽っていた彼を、怜士が我に返らせた。  淫らな僕が叱られやしないかと、ひやりとした倫だったが、怜士は優しく髪を撫でた。  そして、それと同じくらい優しい声音で語り掛けた。 「明日、君の御両親に会いに行こう」 「え。明日、ですか!?」  事前にそういった話はあったが、突然に明日とは急すぎる。  水を飲むことも忘れ、倫はただ怜士を円い目で見つめるしかなかった。

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