127 / 179

4

 倫を正式なパートナーとして迎え入れ、共に広い世界を巡りたい。 「そんな願いを、君の御両親にお許しいただきたいと思って」 「だから急いで。僕の実家へ、明日にでも行きたいとおっしゃるんですね」  怜士はうなずき、倫は考えた。 (じゃあ僕も、覚悟を決めなきゃ)  そう、思った。  顔を上げ、真っ直ぐに怜士の目を見た。 「では、僕も。怜士さまに、打ち明けたいことがあります」  急に引き締まった倫の表情に、怜士は少し戸惑った。  戸惑ったが、きちんと聞く耳を持った。 (倫は何か、特別な告白をするのか?)  だったら私も、真剣に聞かなくてはならない。  そう思い、静かに待った。 「僕は怜士さまを、ずっと前から好きでした、と言ったことがあります」 「そういえば、確かにそのような言葉を聞いたな」 『出会ってから、まだ三日しか経っていないのに。こんなにも君に惹かれるなんて』 『僕は、ずっと前から怜士さまが好きでしたよ』 『前から? どこかで、私は君に会っていたかな?』 『そのようなものです。後日、落ち着いてから、詳しくお話しします』  今こそ、自分がこの世界の人間ではないと、打ち明ける時が来た。  倫は、高鳴る胸を抑えながら、怜士に告白を始めた。

ともだちにシェアしよう!