シーツの上に流れる白濁も、エリペールは指で屹立に塗り込んでいく。 「私のものを咥えて、気持ちよくなってくれたのか」 「ぅ……ぁ……」 　裏筋に指が這い、流れた蜜を掬い取る。それを先端に塗り込み、屹立を掴むと今度は根本から扱かれる。 「あ、ん……」 　腰がビクビクと痙攣を起こし、さらに白濁が流れ出た。 　これも発情期だからと言い訳を通すしかない。ヒートは加速しているものの、まだ正気を保てている。なのに、エリペールと触れて合っているだけで昂って果ててしまう。 　こんな過敏な姿を見て呆れられないかと顔色を伺ったが、それどころかエリペールは興奮し、高揚していた。 「マリユスは早く一つになりたいと思ってくれているのだな」 「はい」こくこくと頷き答える。 　お願いを聞いてくれるのかという期待の眼差しで見詰める。 　するとエリペールは「準備をするからここに腰を下ろしてくれ」手の平を上に向けて差し出した。 「ここに……」 「さぁ、君の孔が乾かない内に解さなくてはならない」 　少し意地悪っぽく扱われるのが、どうやら僕は好きみたいだ。 　エリペールと向き合い手の上に座れば、屹立は丸見えになってしまう。それでも痴態を晒した僕を見て悦んでくれるエリペールを想像すると、従わずにはいられないのだった。 　膝立ちになり、エリペールの肩に手を置く。ゆっくりと腰を下ろしていくと、さり気なく配置された陰嚢が乗っかる。ビクッと一瞬腰を上げ、息を吐いてからまたゆっくりと腰を下ろしていく。 　手の位置を調節したエリペールの指が孔に当てられ、ぬるぬるとしたそこを柔らかくしていく。 「あ……んん、ぅ……」 　足を閉じたくても真ん中に手を挟まれては抵抗出来ない。 「ほら、マリユス。その分じゃ、何時までも繋がれない」 「だって……んんぁぁ……」 　孔に指を差し込まれ反射的に締め付ける。その隘路を抉るように指が奥へと侵入していく。しかし激しく混ぜられるのかと思いきや、あくまで僕が腰を下ろすためのものとして徹するようだった。 　ぐちゅぐちゅと鳴る水音を思い出し、肩が戦慄く。エリペールからもそうされたいが、じっと指を差し込んだまま動かず、微笑を浮かべ見詰めてくる。 　何故何も話してくれないのだろうか。 　体は期待が高まりオメガの液が分泌が増えている。屹立は透明の液が下腹部から糸を引いて垂れている。 　孔に這入った指は動かない故に、余計に存在を主張している。指先は良いところまで達していて、少しでも動かされれば体中に甘い痺れが奔流するだろう。 　焦らされて、焦らされるほど神経が鋭敏になっていく。 　手の平に落とした腰は、少しでも気を抜けば自分の体重で最奥まで押し込んでしまいそうだ。 　それでも何時迄も力んでいられず、ズブ、ズブとエリペールの指が媚肉を擦りながら穿ってくる。 「ね、エリペールさま、もう意地悪しないで……」 「自分で腰を揺らしていると気付いていないようだ。もっとマリユスの感じる場所に当てても良いんだ」 　エリペールは片方の手で上肢を愛撫する。 「っあ……」 　いきなり触れた暖かい手が、冷えた体を溶かしていく。それが気持ちよくて、余計に腰を揺らしてしまう。 　愛撫する手が胸を掠った瞬間、ビリビリと刺激が迸り、孔を締め、咆哮と共に白濁を吐瀉した。 「んぁぁぁ……！！」 　それと同時にエリペールが中を掻き乱す。 「やぁ！！　今は……今はだめぇ！！」 「最高潮の時を待っていた。今が一番気持ちよくなれるだろう。もっと自分を解放したまえ、マリユス。快楽に従順な君が、私の劣情を唆るのだ」 「あっ、はっ、ぁぁあ、や、本当に……変になっちゃう……」 　何も考えられなくなる。頭の中がぼんやりと白い膜で覆われたような感覚がして、下半身の神経だけが鋭敏になっている。 「射精……とまらな……ぁぁ……」 　エリペールにしがみ付き、双丘を突き出し思いのままに腰を振ると、絶頂を味わい続ける状態に陥り白濁が垂れ流し状態になっている。 「……きもちい……きもちい……あぁ……ん……」　　これはヒートだから仕方ないのだと自分に言い聞かせ、本能に従い腰を振り続ける。 「エリペールさま……キス、キスしたい……」 　チロリと舌を出して迫る。 「もう少し可愛い声を聞いていたいから、今は我慢」 　チュッとリップ音を立てて頬にキスを落とすと、孔から指を引き抜いた。 「ん、っぁ……」 　追いかけるように腰を引く。 「さぁ、お待ちかねの時間だ」 　向き合って抱きしめると、孔に熱塊の先端を宛てがう。 　――――くる……！！ 　指とは比べ物にならない圧迫感が、押し寄せてきた。