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第34話 何回目の確信
「写真部のワークショップがめっちゃ盛り上がるかもしれないし? ……今、宮瀬が言ったのがそんなにうまくいくとは思わないけど……」
「――まあ、そうですよね」
「でも……考えてくれて、ありがと」
先輩は、ふわ、と笑顔を見せてくれた。
「その場で写真、っていうのはいいかもね。希望者だけでも。喜んでくれるかもね」
「――じゃあ……」
「ちゃんと行く。……ていうか、そうだよね、約束したし。守らないとね」
……うわ。めっちゃ、嬉しい。
何より、先輩が、普通に笑ってくれたことが、一番嬉しい。
「じゃあ、そういう打ち合わせは明日にして……今日はお菓子とコーヒーな」
「先輩、甘いもの好きですよね」
「うん。好き。宮瀬は?」
「コーヒーゼリーとかは、よく一人でも買ってました」
「あー最初の日も買ってたね」
覚えててくれてるの、かなり嬉しい。
ぽりぽりおやつを食べながら、あれこれ話していて、思う。
先輩とこうして過ごすのは――ほんと、楽で、楽しくて、それでドキドキして。
さっきのことも、先輩が、オレにしか、話してないってことが、すごく嬉しくて。
先輩と居ると、嬉しいことがたくさんある。
……オレも、先輩にとって、そういう感じになれたらいいんだけどなぁ。
なんて思っていると、ふと先輩がオレを見つめてきた。
「あ。宮瀬、そろそろお風呂入りたい?」
「あー……そうですね」
時計を見ると、結構いい時間。
……なんかすっごく語ってた気がするもんね。
「先に入ってきて。あ、バスタオル……」
先輩が立ち上がって、奥の部屋からタオルを持ってきて、渡される。
「シャンプーとかは見れば分かると思うから」
「先、いいですか?」
「いいよ~。宮瀬、布団で良い?ベッドがよければシーツ変えるけど」
「どっちでも……」
「じゃんけん!」
言われて咄嗟にパーを出したら、負けた。
「じゃあ宮瀬がベッドね。敷いておくねー」
「あ、はい。お願いします」
クスクス笑ってしまいながら言って、自分の荷物から部屋着を出して、バスルームの方に向かおうとした時。
「宮瀬」
「はい?」
振り返ると、先輩はお菓子の袋を片付けながら、目を合わせずに小さく笑ってた。
「……なんか、ありがと」
「え?」
「話せて、楽になった……オレ、宮瀬だから、話せた」
「……はい」
「それだけ――いってらっしゃーい」
照れたように言う先輩に「いってきます」と答えて、バスルームに向かう。
あー。やばいなぁ……。
もう、自分が先輩を好きなのは分かってるけど。
今の一言で、その気持ちがさらに膨れ上がったような……。
「宮瀬だから」って言われただけで、こんなに嬉しいなんて。
思わず、口元が緩む。
……オレ、ほんとに先輩が好きだなぁ……。
何回目の確信なんだろう。
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