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第40話 初めてのぬいづくり
「……できた!?」
先輩がすごく嬉しそうにオレにぬいを渡してくる。
「おお……先輩、すごい」
オレはくるんと一周確認して、はい、と頷く。
「可愛くできてると思います」
わくわくした顔でオレを見ていた先輩は、やったー、と喜んでいる。とりあえず、肌色の部分、完成。
「じゃあこっから、服とか、目とかつけてくんだよね?」
「はい。そっちの方が簡単ですよ」
「洋服難しい?」
「大丈夫、ぬいの服はそこまで複雑にはしないので一緒にやりましょ」
「いいんだけど……じゃあ、オレは、宮瀬の見ながらやるから、宮瀬はこっち見ないで?」
じっと見つめられて「あ、はい」と頷く。
見られたくないのか。子供みたいなとこ、あるなー。可愛い。
服用の型紙と布を渡して、チャコペンとハサミで頑張って切ってもらう。面ファスナーをくっつけて、服は着脱ができるように。
「ちょっとめんどいですけど、着せ替えができるので」
「いい。全然めんどくない。楽しい」
オレに見せないために、鞄を立てて作った衝立の向こうで、先輩が楽しそうに作ってる。
「あとは目ですね。フェルトで作ってもいいですし、この推しぬい用のワッペンみたいなの貼ってもいいですよ」
「あっ。そのワッペンがいい。選ばせて」
「どうぞ。あ、先輩の目は、これでいいです? ぱっちりしてるので似てるかな……」
「うん、いーよ」
「口もワッペンにしますか?」
「する! オレが作るより可愛い」
目とか口のワッペン、持ってきといて良かった。いつもは刺繍するからあんまり使わないんだけど、昔使ってたのが残っててよかった。
「先輩、イメージ通りになりそうですか?」
「うん、結構、イイ感じ。何このワッペン、超便利」
「ふふ。ですよね……ぁ、そうだ」
先輩の顔は全然見えないのだが、出来上がりが楽しみなので、まあ良しとする。
オレの方も結局、出来上がりまで見ないってことになって、先輩は、型紙と見本のぬいを見ながら悪戦苦闘してるけど。
まあ、もう、可愛すぎるので、いくらでも待っていられる。
オレの先輩くん二号は完成してしまったので、オレは小物の中を探って、あるものを発見。
「先輩これ……」
「何、それ??」
「ぬい用の靴なんですよね……これ履けたら、立てるかも」
「えっちょうだい!」
めっちゃ楽しそうに受け取ってくれる。
それからも、しばらく先輩は、悪戦苦闘。
オレは衝立から見える先輩の頭を見ながら、聞かれたことに答えながら、超幸せな時を過ごした。
「できたかも……!!」
「おお、おめでとうございます!」
「……宮瀬のから、見せて」
そう言われて、オレは、先輩くんの二号を先輩の前に座らせた。
「おお。可愛い。この服ってさ、やっぱり、あの」
「登山の時の服です。似合ってたので」
「さっきさ、この色の布見て、そうかなーって思ったんだ」
「あ、バレちゃってました? まあこれも、着脱式にしたので、違う服も着せられますよ」
サプライズにはならなかったか、と思いながらも。
「てか、帽子もついてる! すげー細かい、宮瀬」
わー、可愛いね、と嬉しそうな先輩にほっこり。
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