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#Sixteen

「いい加減にしろ! 主人のぼくが休めと言っている。これは命令だ! 言うことが聞けないのならば力尽くで行使するまでだ」  彼がそう言った矢先だ。紅緒は突然息苦しさを覚えた。  それというのも、薄い唇が紅緒の口を塞いだからだ。  今は独り身とはいえ、二年前には愛する妻がいた。  それなのになぜ、彼は紅緒に口づけるのか。  そしてなぜ、何の感情も抱いていない同性の自分に対してこれほどまで情熱的な口づけができるのだろう。  ただでさえ、体調を壊して頭がうまく働かないのに、予期せぬ彼の行動で紅緒はパニックに陥りかけている。  息苦しくて彼の胸板を押せば、その腕は簡単に取り押さえられてしまう。交わった唇はいっそう深くなり、紅緒の口内を貪るからたまらない。  おかげでとうとう紅緒は腰砕けになった。彼に身を委ねてしまう。

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