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#Seventeen

 紅緒がすっかり抵抗できなくなったことを知ったティボールトは、ようやく唇の戒めを解いた。  紅緒から彼の唇が離れる時、それはまるで紅緒の気持ちを代弁しているように哀愁を奏でるリップ音が生まれた。 「どう、して……キスなんて……」  尋ねる言葉はたどたどしい。  ティボールトの胸板にぐったりともたれかかる紅緒は、荒くなった呼吸でぽつりと呟いた。  ひょっとして彼はすでに自分の気持ちを知っているのだろうか。憐れだと思い、口づけを寄越したのかもしれない。  そう思えば、紅緒の胸がずきずきと痛む。  瞼が熱い。  身を引き裂かれる想いに今にも泣き崩れそうだ。  紅緒は口づけられたティボールトの感触を消すため、強く唇を噛みしめた。  彼の思い通りに動いてしまう自分が腹立たしい。

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