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第14話

「殿下、本日は陛下との会議の後に三日後に行われる――」  サーミフが食事をする間、侍従長が心地よい声音で今日の予定を告げる。その低い声にこちらが眠気を誘われると、凪は端に控えながら内頬を噛んだ。気を抜けば欠伸が零れそうになる。  そんな子守歌と化した侍従長の声を、それでもサーミフの予定を知っておかなければ跡が面倒になるという保身のために聞いていた凪にチラと視線を向け、サーミフはそういえば、と声をかけた。 「ナギ、宝石商から頼んでいた飾り物ができたと昨日報せがあった。三日後の式典で渡したいから、今日か明日に受け取りに行ってくれ。あぁ、それから今回はウォルメン閣下が小鳥を連れてこられるらしい。歓迎に何か甘い菓子を用意するよう、料理長に通達を」  ウォルメン閣下の小鳥。そう聞いて凪の肩がピクリと小さく跳ねる。しかしそれを無視して、凪は了解しましたと頭を下げた。

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