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第61話

「殿下が私の事をどのように思っておられるかは知りませんが、少なくとも貴国と閣下の仲に亀裂が入るようなことはしません」  あくまで〝私の方〟は。そう言外に告げるヒバリに凪はほんの少し目を細めた。凪はヒバリに対し良い感情を持っていないが、それでも彼の印象を告げるなら無口無表情だが穏やかで、争いを好まぬ静かな青年だと言うだろう。しかしそれは彼の表面上のことでしかない。たった一言、それも直接的な言葉を避けて彼はサーミフに、あるいは凪に対して釘を刺した。それだけで彼が穏やかなだけの青年でないことを知る。 今日は少なくて申し訳ないです(汗)

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