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第125話

「表面上のこと以外は何も。ヒバリ様は今回のような特例を除き、常にウォルメン閣下と行動を共にされているようです。しかしそれがいつからなのかは不明でございます。ウォルメン閣下も、ヒバリ様も、産まれや幼少期を知る者は誰一人としておらず、皆が口を揃えて言います。〝自分が生まれた時からお二人はそこにいた〟と」  常に二人で寄り添い、行動を共にしながらセランネの闇を統べていたと。 「現代は科学も発展しております。薬や手術でいかようにもできるでしょう。それに人の記憶とは曖昧なもの。あのお二人に関する〝噂〟も眉唾物だと思っておりましたが、もしかするとある程度は真実なのかもしれませんな」  噂――その言葉にサーミフは眉間の皺を深くする。  サーミフはこの国の第二王子だ。当然、諸国の王室や貴族に関しての教育も施される。それは名前や伝統といったものから、実しやかに囁かれている噂まで様々だ。その中に、ウォルメン閣下の噂もあった。だがそれはあまりに現実離れしていて、まるでフィクション映画のようなものであったためサーミフは耳にしていても信じてはいなかった。それは目の前にいる現実主義者の侍従長も同じであったはず。なのに彼がまさか肯定的なことを言うとは……。 「……頭が痛くなってきたな。問題解決のために動いているはずが、動けば動くほど謎が出てくる」  鍵は兎都であるとサーミフは予想していた。だからこそヒバリに凪を近づけた。だがウォルメン閣下も関わっているとしたら、話は変わってくるかもしれない。

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