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第132話
「お話中失礼いたします」
礼を失さぬようにしつつも早足で近づいてきたのは凪と同じ使用人服を纏ったルナという女性だった。ローラに小さく礼をしてから凪に向き直る。
「第三夫人が凪をお呼びだと、あちらの侍女が」
第三夫人――ツバキの呼び立てに凪は一瞬眉根を寄せる。しかしすぐにいつも通りの
無表情に戻り、彼はローラの方へ視線を向けた。
「仕事が入りましたので、これで失礼いたします」
大声を出していなかったとしても、ルナの言葉はローラの耳にも入っていただろう。第二王子のお妃候補と国王の第三夫人、どちらの命が優先されるかなど子供でもわかる。
仕方ない、と頷くローラに軽く礼をして、凪はルナと共に待っているであろうツバキの侍女の元へ向かった。
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十時(如月皐)
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