133 / 142

第133話

 侍女の案内で第三夫人の部屋に向かえば、そこには美しく着飾った母と、母に髪を整えられてご機嫌なナイーマ王女がいた。 「あぁ、凪。よく来てくれたわね」  凪の姿を見てツバキが微笑む。ナイーマも嬉しそうに「お兄様!」と叫んだ。そんな二人に凪は表情を変えることなく静かに頭を垂れる。 「お呼びとうかがいましたが、何かご用でしょうか?」  使用人としてのそれに、ツバキは静かに顔を曇らせる。侍女たちに下がるよう命じた。パタンと扉が閉まる音がしてようやく、ツバキは口を開く。 「誰の目も耳も無いわ」  だからお願い、と懇願する声に凪はゆっくりと顔を上げる。しかしその顔は息子に戻ることはなかった。 「仕事が残っておりますので、ご用件をお聞きしてもよろしいですか?」  無いのならば戻ると言う凪の頑なさに小さく息をついて、ツバキはナイーマの肩をそっと撫でた。 「あの方にお会いしたいの。前回はこの子を紹介できなかったから……」  ツバキの言う〝あの方〟が誰なのか、わからない凪ではない。取り繕うこともなく眉間に 皺が寄る。 あけましておめでとうございます! 本年もどうぞ、よろしくお願いいたします 皆様にとって素敵な年となりますように! 十時(如月皐)

ともだちにシェアしよう!