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第145話

 ツバキがヒバリを訪ってから数日、凪はただひたすらにサーミフの世話や王宮での仕事をこなしていた。いつもであればヒバリと共に何度か件の店に行っているはずなのだが、なぜかヒバリが王宮から動こうとしない。彼は相変わらず何も言わず、ゆえに凪には何もわからない状態が続いているのだが、もしかしたら何かがわかって調査が終了したのかもしれないと、努めて楽観的に考えようとしていた。  事の真相がわかれば、ヒバリは帰国する。側に居さえしなければ凪はもちろん、ツバキと会うこともないだろう。だから凪は心の底から早く全てが終わることを願っていた。  サーミフから命じられた用事を終え、凪は庭に面した回廊を進む。サーミフが執務室にいる間に、彼の私室を整えておかなくてはならない。飾ってある花も替え時だから、庭師に言って花をもらわなくては。そんなことを考えながら歩いていた時、凪の耳にクスクスと笑う声が聞こえた。

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