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第152話
あの日も、凪は両親に連れられて晩餐会に参加していた。王が主催する晩餐会は厳かで、凪のように親に連れられた子供もちらほらと見受けられたが、子供用の遊び場など当然あるはずもなく、ただただ大人の会話を聞きながら目の前の豪華な食事を口にしていた。隣には異母兄もいたが、ここにいる子息たちは年齢に関わらず皆が静かで騒ぎもしなければ無駄なお喋りもしない。そう躾けられているからだ。隣に座るのが兄弟であったとしても例外ではなく、必要なこと以外は話さなかった。否、話せなかったというのが正しいか。
凪は幼いながらにこの日の晩餐会は異様であると感じ取っていた。皆が皆、表面上は楽しそうに食事をしながら会話を続けているが、どこか緊張が滲み出ている。チラと会場を見渡してみるが、どこのテーブルも同じように緊張しているようだった。空気が張り詰め、笑顔が大げさになっている。きっと彼らが原因だろうと、凪は静かに国王の隣へ視線を向けた。
遥か西にあるというセランネから来た王の客人。一人は金色にも茶色にも見える、キラキラした長い髪を持った、母よりもほんの少しだけ年嵩に見える長身の男。そしてもう一人は美しく長い黒髪の男だ。
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