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第160話

「隣に座っても?」  その問いかけに凪は再びブンブンと大袈裟なほど首を縦に振った。その様子に微笑みながら、彼は優雅に腰掛ける。ほのかな灯りの中、美しく整えられた夜の庭に彼の美しさが際立つようだ。ボウっと見惚れてしまう凪だったが、次の瞬間にはハッとしてソワソワと視線を彷徨わせた。その忙しない様を不思議に思ったのか、彼はほんの少し首を傾げる。 「どうかした……、あぁ、違うな。気を遣わせてしまっただろうか」  国王の客人が座っても良いかと問いかけたら駄目だとは言えないだろう。同時に、自分だけ広間に帰るということもできない。そこまで考えが至らなかったと瞼を伏せた彼に、凪は違うのだと慌てて首を横に振った。 「い、いえ、あの……。ボクはだいじょうぶなのですが、その、あなたさまは……」  そう言えば彼の名は何だっただろうかと凪は視線を彷徨わせる。確か晩餐会の最初に国王が紹介していたと思うのだが……。

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