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第182話

「生憎とヒバリ様は今ここにおられません。急ぎのご用事でしたら私がお伝えいたしますが」  どうしますか? と問いかけるポリーヌに凪はほんの少し目を見開く。  凪としてはヒバリが部屋にいれば連絡もなしに外出していることや母との噂のことを問いただそうと思っていた。そして部屋にいなければポリーヌが何かと誤魔化してくるだろうから何とかしてヒバリがいないという事実を突きつけて、その思惑を聞き出そうと思っていた。しかし凪の予想に反してポリーヌはあっさりと、なんでもないことのようにヒバリの不在を告げた。まるで悪いことなど何もしていませんとばかりに。 「……ヒバリ様が動かれるという連絡は受けていません。以前にも度々、私が把握していない外出がありますね? いったいどこに行っておられるのですか?」  想定していた流れではないと混乱しつつも、凪はなんとか言葉を紡ぐ。口調が鋭くなって尋問しているような雰囲気になってしまったが、ポリーヌはあまり気にしていないようだった。

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